RAW画像と調整Ⅰ
この二三日、二三の人から「ブログを見ました」という話を聞いた。
少なくともその二三人は見てくれているのである。…素直に嬉しい☆
ということで、腹ばかりたてていないで、まともなDIGITAL談義を進めていこう。夏休みだった私設勉強会“DIGITABLE”(ブログロールでリンク)の開校日も9月20日に迫っている。今日から二三回はそのテキスト執筆の予習でもある。(何事も無理をしないのが、ずぼらDIGITAL研究室のモットーである)
RAW画像の理解
以前にも述べたように、今日のデジタルカメラに使われる、CCD やCMOS は光の強弱を感じるだけで色に関する情報は持ってない。一般的なデジタルカメラは、ベイヤー配列のカラーフィルターを通してCCD が感光するしくみで、RGBの各色の元情報は歯抜けたものになっているが、例えばG チャンネルでは周辺のR とB 画素の情報から計算してRGB 全チャンネルの情報を持った画像を作り出している。
RAW 画像はRGB 全チャンネルの演算前に描きだされた“生”の画像で、そのままでは使えないが(=カラー画像にもなってない)、反面ソフト上での演算による色や明るさに対する調整域が極めて広いものになっている。
撮影時のカメラの設定がどうであれ、sRGB かAdobe RGB か?といったカラースペース(=色空間)や8bit か16bit か?といったビット数さえも自在に書き分けられる。
CameraRAW などのソフトの解説の項で後述するが、あまり言われてないことだが、拡大などのサイズ変更も、このRAW の展開時に一気に片付けた方が、JPEG にしろTIFF にしろPSDにしろ一旦ピクセルが“定着”してしまったものをいじるより、はるかに優位性がある。
JPEG 画像はカメラ内のASIC であらかじめ設定されたパラメータによりRAW 現像されて展開され、再びJPEG の設定サイズや品質段階に従って圧縮されて出てくるわけだ。それらの処理が終わった段階で、カメラ内でその都度元のRAW データが捨てられていると言ってよい。
このことを考えれば、RAW データは撮影後の調整の優位性があるのは当然のことだ。RAW とJPEG ではそもそも画像の段階が違うのだ。
デジタルカメラの内部では一瞬のうちに、これだけの仕事をしてメモリーカードなどに書き出すことが繰り返されている。
AD コンバータからの信号がそのまま出されたデータがRAW データで、JPEG はASIC(Application SpecificIntegrated Circuit)により調整と演算がされて書き出されている。