デジタルカメラの原理と基本概念

2011 Digitable 基礎講座 第1 回

基礎講座の初回としてデジタルカメラの基本原理、画像景色と保存、解像度の基礎知識をみておこう。
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 4月の新学期なので、背広を着てきましたが…

 DIGITABLEでの講義風景
○デジタル画像の生成
デジタルカメラに使われる、CCD やCMOS は光の強弱を
感じるだけで色に関する情報は持っていない。一般的な
デジタルカメラは、ベイヤー配列のカラーフィルターを
通してCCD が感光するしくみとなっている。
RGB の各色の元情報は配列上歯抜けたものになっている
が、それぞれの チャンネルで周辺の他のチャンネル 画素
の情報から計算してRGB 全チャンネルの情報を持った画
像を作り出している。

 ベイヤー型のイメージセンサーは、補間により各色の画像を作りだしている
ベイヤー型のイメージセンサーは、補間により画像のディテールが失われると同時に偽色が発生するなどの欠点あり、シグマ で採用されているFoveon X3 やフジS5Pro
に搭載のスーパーハニカムCCD などのベイヤー以外のセンサーもある。

 デジタルカメラの信号処理
○ JPEG とRAW
現在デジタル一眼レフのほとんどの機種では、JPEG と
RAW の二形式で画像を記録することが出来るようになっ
ている。JPEG は現在最も広く普及している画像の保存形
式で非常に効率的な「圧縮」機能を持ち、本来の画像容
量の1/4 ~ 1/ 数10 の格納サイズにすることが出来る。
RAW は「生」の意で、撮像素子から得られたままの、画
像処理が行われる前のデータで、カメラや専用RAW ソフ
トを介し画像に展開し見ることが出来るというマニア向
けのデータ形式だ。
RAW ではこれらを後で自分の好みに合わせてかなり大幅
な調整をすることが出来るので、RAW では細かな設定や

調整は後回しでもよく、いわば許容量の大きいネガフィ
ルムのような存在だ。JPEG は撮影時に細かな設定や露出
等を決定する必要があり、いわばポジフィルムのような
ものだろう。
○ JPEG の設定
JPEG では記録時の画像サイズや品質(画質モード=圧縮
の段階)を選ぶことが出来る。画質モードはファイン、ノー
マル、ベーシックなどとなっているが、デジタルの作品
づくりを目指すなら多少の撮影枚数の差には目をつぶり、
ラージ+ファインを常用にしよう。
「旅行中などで撮り直しがきかないのに残り枚数が減って
きた…」等の時は、緊急避難的にサイズはそのままにモー
ドを落とすべきで、その方が容量的に節約効果が大きい。
○画像の保存形式
■タグ付RAW
RAW 現像を行なわず撮影したままのRAW を調整したタ
グ(=指令書)により展開時に「調整済みの状態」で開
くやりかたで、画像をオリジナルのまま全く傷めずに保
存を続けることができる。(非破壊編集)
■ Photoshop 形式( PSD)
Photoshop で使用中のデータを保存しておける固有の保
存形式。レイヤー、アルファチャンネル、パスなども残
したまま保存できる。
■ Tagged Image File Format( TIFF)
ファイル圧縮を行わないため画像の劣化はないが、ファ
イルサイズは非常に大きくなる。
最終的JPEG 保存する画像であっても作業中の繰り返し
保存はPSD やTIF を選ぼう。